ユーザーからみたソフトウェアが作り出す価値の変化

 Life is beautifulにソフトウェアにおけるムーアの法則について記事がでていた。http://satoshi.blogs.com/life/2006/03/
エンジニアだけあってソフトウェアの複雑化がソフトウェアの機能面での効率、生産性を落としていることを指摘し、ハードウェアの処理能力向上が以前ほど簡単でなくなったのでソフトウェアの形も見直そうと話だった。いままでもソフトウェアの複雑さが問題になっていて、何故いまなのかピンとこない。だから今度はユーザー側から考えてみた。

 いままでのソフトウェアを多機能し用途を広げてソフトの一般化してきた。いろいろな用途に使えることでユーザーを集めて製品の社会的価値を高めようという意図だ。これは2割の商品が8割の売り上げを占める既存の販売網を考えれば自然なことだった。実際に使ってみたり身近な人に聞いたりしてソフトウェアを使うことが多かった。

 ところが、最近の目にとまったり、話題になるソフトウェア/webサービスは単一目的に特化した一種の単純さがあるように思う。こういったソフトが成立するようになったのは、インターネットと検索が一般化してユーザーが目的のソフトウェアを探せるようになったからだろう。この場合には一言で機能を説明できるようなソフトウェアのほうが伝わりやすい。また操作も目的に特化しているおかげで、すぐに使えるものが多い。

 ただし、別の目的にも使えるのに使えないということも出てくるだろう。それをオプションにするのでなくてAPIやDLLを公開し、あとはまかせたとなる。彼らは機能のための仕組みを作っているのでなくて、コンセプトを実現する仕組みを作っている。生み出して価値があるのはコンセプトそのものなのだ。ソフトが作り出す価値が変化してきているというのも、ソフトウェアの複雑化を時代遅れに感じさせる原因なのでないだろうか。