自作プログラムの価値

ここ数日、著作権や猥褻物の公開などで、オンラインストレージ関連のサービスが停止になっていきている。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/05/24/15823.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070526k0000m040090000c.html
音楽に対するオンライン・ストレージサービスの判断は、TVの録画サービスの判例を参考にしているようだ。つまり、著作物が載っているハードウェアを所有している人物(法人)が他者にデータを渡すと、たとえ相手が限定されていても(そのデータを所有していた元の人間でも)不正な送信にあたる。

人間からみて音楽を聴く権利を持つ人間が、どのような形態であれ権利を所有できる方が実質的けど、ハードというものに固定された所有という過去の概念に引っ張られている気がする。この場合は地域によって受信の権利が変わる放送とは分離して考えるべきでなかっただろうか?

これを回避するためには、ユーザーにハードを購入してもらって管理をするという形態をとる必要がある。多分、各個人ごとにハードを丸ごと1つ買ってもらう必要が出るだろう。ハードが壊れても所有も関係があるので無料で交換するわけにいかない。そうすると、著作物にかかわる特定のサービスを提供するパターンだと、なんでも載せられるオンライン・ストレージにコストで対抗できなくなる。サービスとして成り立たなく可能性が高い。

論文をオンライン上で管理するRefworksなんか、完全にアウトだろうな。BibTeXは個人で構築している分には良いのかな?それとも構築しているハードが自分のものでないとアウトなのだろうか?サービスとしてはプログラムの実行までで、プログラムは自分が所有していると考えればOKの範囲の気がする。ハードで分けるって不可能だと思うけど。

これまで自作プログラムを作っても、それ以上に便利なサービスができて(しかも無料だったり!)作る価値ねーなと思っていたけど、個人で使う分には面白くなったのかもしれない。拡大して考えると、一般向けに、そういったシステムを構築するサービスが商売になるんじゃないかな?例えば、一方でファイルサーバ+特定のプログラムが使えるサービスを提供しておいて、もう一方で個人向けにwebサイト構築を請け負う形にしておけば良いのじゃないかな?

あれ?今までとあんまり変わらない?

追記:複製の部分が引っかかったらしい。
http://nagablo.seesaa.net/article/42935209.html

公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器を用いて複製する場合には、私的複製にあたらないとしています。

そのまま、理解するとファイルを転送するようなものは全て駄目ということになる。あと、音や文字を転送するようなものもいけないかも(IP電話も?)。下手をすると複数ユーザーが利用するファイルシステムも駄目かも。
そこまで極端な事ではなくて、それを著作権のあるデータを主に取り扱うものが問題となるだろう。しかし、一般的なファイルサーバが個人毎に利用されて結果的に著作物が置かれるようになった場合は、それに気づいた時点でサービスを中止しなければならないのか?
それはユーザーが負うべき責任でサーバー管理者が追うべきではないだろう。日本でオンライン・ストレージサービスを行うのは非常にリスクの高くなり、海外のサービスに移動するだけって気がする。経済的には何のメリットもない判断でないだろう?現在の段階での対策は全滅っぽい。
高裁で、どのような判決がでるか注目かな。
裁判官の能力に問題があるのかもしれない。彼女の法解釈は正しそうだが、全く新しい物事に対して既存の解釈を適応するだけでよいか考えていない。判例によって適応範囲が徐々に決まってくる以上、影響力を想像できない彼女に新しい判断を任せるのは問題がありそうだ。