ワトソンの人種差別問題は、それ以上の問題を含んでいる

 インタビューらしいので、どういう文脈で話されたのか不明。
http://blog.wired.com/wiredscience/2007/10/more-on-james-b.html#more
 遺伝学者が優性学時代の誤りを、また繰り替えしているという話題になってしまうかもしれないが、それより知性のkeyになっている遺伝子が15年以内に見つかるだろうという件で、別のショックを受けた。現在、人間の遺伝子の解析レベルからスニップス解析など個人の資質解析に移ってきている。当然、わかりやすい個人の資質と遺伝子の関係は明らかになる。知性は複合的な資質で先天的に決まっている割合は低いから難しい方で、疾患などは早い段階で統計という形で現れてくるだろう。

 私たち、既に生まれた人間は保険料や就職、結婚などで考慮に入れる条件に十分になる。経済優先の社会傾向をみれば抗しがたいのは明らかだ。一度、常識として確立してしまうと、実際の影響が僅かでも社会的な影響が多大なので、社会での影響として明確な実態を持つことになる。人権を守るためには、明確な意思を持った生物学的な知識の無視が必要になる。世の合意を得ることが可能なのか?困難な気がする。確率や相関関係が低い意味、まだ検査に使われたゲノム領域にも同様の可能性が存在していること、条件によって逆転した優位性を示すことを一般に理解してもらえるだろうか?

 生まれてきていない者は今の法律では人権がない。誰が疾患の可能性のある子を持とうとするだろうか?人間の人生を最も左右するのは、性質ではなくて様々な事柄の価値を発見できるかにある。親で子であろうと、生きる価値があるかないか判断を下すのは難しい。

 最後に人間のスタンダードが決まってしまったら生物としての人間の変化はどうなるのだろうか。人間は現在の人間である事に気づいて終わりなのか?明確な意思をもって変化してゆく気なのか?SFじみているが知性をもつ生物の限界点が気になる。