狼と香辛料III

相変わらずの中世金融ファンタジー。今回は本来価値がないものが、売買によって市場価値を持つ話。wikipediaによると、黄鉄鉱は見た目が美しいようだけど価値はないらしい。本来は利用価値のないものが祭りで販売されるアクセサリーとして価値を持ち、そこから利益を得ようとする商人たちの思惑で価格が暴騰する。儲けたい心理によって値段が支えられて、急落するタイミングを探っている様子がいい感じです。

それと儲けようとして大量に持つと、自分が売ることがきっかけとなって売り切る前に暴落してしまうのを防ぐために小出しに討っていかなければならないのが面白い。大量の黄鉄鉱を信用取引という形で押し付けた時点で勝負があったんだな。信用取引こえー、素人が手を出していいものじゃないよ。

中世で現実に起こった例としてはチューリップの球根取引だろうか。花が咲かないと価値がわからないのだけど、球根の売買をしていたという点と花のもの珍しさという変化しやすい価値だった点が似てるかも。これだと1年近く時間がかかるから物語にならないけど。