最近話題になっている派遣社員の契約期間内の雇用中止について

派遣切り批判をあえて批判するhttp://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081212/119407/?P=1という文章があって、いろいろ考えが沸いたのでメモ。

この記事の内容は「日本の労働法制を真正面から見据えて、企業の解雇権と解雇される労働者の権利を守るための法改正や社会的なセーフティネットの構築をしなければならなかった。」という事とマスコミ/政府の対応批判。

確かに、硬直した雇用を柔軟にする解決策として派遣業務を自由化とセーフティネットを同時作成すべきだった。しかし、実際にはヨーロッパやアメリカの状態をみる限り不可能だっただろう。例えば社会に不適合で、どうやっても仕事ができずに生命の危機に陥る人も出てくる。将来は教育が受けられず貧困の再生産の問題もある。また不景気になれば、好景気の時には問題にならなかった大量の失業者が一度に出ることへの対処も必要になる。これらは、どの国も社会問題として経験・対処していない。社会の構造が大きく変わると、問題が後から表面化して保障していかなければならない部分が出てくる。

法律が十分に整備されていない現時点で、政治家、会社、マスコミはいかなる立場を取るべきかが問われている訳だ。上記の記事の「会社は法の遵守で十分」という主張は、この論点で説得力を失っている。会社は利益を生み出す組織であるのと同時に社会機構の一部である。会社は経済と政治の両方を基盤にして成り立っていると考えて良いだろう。会社が派遣問題を軽視は社会問題を軽視すると政治的アピールを発信する事にもなる。それは反社会的なイメージとして会社の利益に跳ね返ってくるだろう。

私の主張としては、労働関係の官僚は恐ろしい速度で問題に対処し始めているし、政治家が法の隙間で政治的な不安定化を抑えようとするのは当然、マスコミも自分の仕事をしているように思える。今は耐えて問題点を洗い出し未来へつなげるべきだ。どうせ世界不況だもの資本は安定・信頼のある国に集まってくる。