Intel CPUのキャッシュ量の増加とメモリ帯域の要求

 FDRAMはレイテンシを最小にする努力が全くされずに、広帯域にフォーカスしている。データがメモリ上のどこに存在していようと同じタイミングでCPUに伝えられるのは、CPU側から予測が立てやすいけど、レイテンシを減らしてCPUがとまっている時間を減らすためには無駄が多い。サーバー用のメモリということもあるが、HTを持つCPU専用といった使用になっている。代わりに最近のIntelのサーバー系CPUではキャッシュ量が非常に多い。Intelは、このタイプのアーキテクチャが最もパフォーマンスを高められると考えているはずだ。将来はPCでも同様のアーキテクチャになっていくのでないだろうか。
 Intelが2ndキャッシュを大幅に強化し始めたのはIntenium2, プレスコット, PentiumM以降だと思う。RDRAMで広帯域を確保したにもかかわらず、レイテンシが多く性能を発揮できなかった失敗したあとになる。Athlonがメモリアクセスのレイテンシを低下させることでボトルネックを解消しようとしたのに対して、Intelはメモリのレイテンシに依存しないシステムを構築しようとしている。メモリはアクセス待ちを作らないだけの帯域を確保し、処理すべきデータをキャッシュに置けるようにしてレイテンシを無視できるようにする。その結果、最近のベンチマークではメモリのレイテンシは性能にさほど影響しないまでになっている。メモリのシリアル化とレイテンシの増加は切り離せないが、Intelアーキテクチャを工夫することでシリアル化を進めていくつもりだろう。