PS3の発売延期

 発表によるとBlue-ray Discの規格決定がおくれたため、PS3の発売を2006年の春から秋に延期された。実際にはゲーム開発が遅れている事やXbox360に一気に差をつけられる可能性が減ったことなどを判断してのことだろう。加えてPS3の環境に変更があった。まだ決定ではないようだが、HDDをつけてinternetをopenにするらしい。正直なところiPodインパクトがあらわれている変更だな。メディアプレーヤーを狙っているゲーム機としては、iPodのディスクを使わない操作性の良さと流通の変化は衝撃は大きかった。既にメディアのディスクから通信に移行は決定的だと思う。PS3単体だけでなく便利なポータルサイトを提供する必要がでてきた。この変更でSCEは、遅れているゲーム開発環境に加えて、ポータルサイトの構築も行わなければならなくなった。どう考えても現状のSONY単体で開発するのは無理だ。いっその事、経験の会社に委託してしまうのも手かもしれない(AppleとかamazonとかYahooとか)。あるいは潰れてしまいそうなL社を購入するとか。
 一方、MSは慣れていないはずのハードウェア開発と量産をスケジュール道理にこなし、XBox360を日本はともかく米国ではうまく立ち上げた。前回のXboxを短期に開発したことも考えるとハードウェアの企画力、開発力が高いのだろう。柔軟性の高いGPUとCPUでメモリを共有するアーキテクチャは、ゲーム機としては理想的で筋が良いと思う。そうであってもローンチタイトルには新しいゲーム機ならではというゲームに欠けて一気に普及することにはならなかった。
 現在のゲームは開発規模が大きくなって、すぐは新しいアーキテクチャに最適化されたゲームを作れなくなっている。元々アーキテクチャの変更はハードウェアリソースを最大限利用するための物であったはずだが、こうなってくると先進的なハードであるときにはソフトが生かしきれず、ソフト開発が成熟してくるとハードが古くなってしまう。もはやゲーム機のハードウェアが毎回アーキテクチャを変更する利点がない。また1社で開発しきれず規格をOPENにすると、今までのようなハードウェアによる囲い込みが難しくなりビジネスモデルを変更する必要がでてくる。いろいろな意味でこれまでの延長としてのゲーム機最後の世代になりそうだなぁ。