陰日向に咲く

 特別生き方に信念とか持っていないどちらかというと普通の人の、ちょっと普通じゃない話だろうか。話慣れていない人が唐突に語りだすような話ぶりから徐々に人となりがわかってくる感じの文体が面白い。
 すれ違うだけだったりする、弱く繋がった人間関係が繋がりがオムニバス形式で弱く繋がっていることろも良いな。強く主張しないで人をくすぐるようなシャイな作品。通常の生活の喜びでもないし特別なポリシーの元での価値でもないものを、良いものとして主張しがたいけど共感できた。家裁の人とか人間交差点などで人間性と思っていた部分に重なるかな。